銀杏の絨毯、 晩秋の代々木公園を撮る。

代々木公園の銀杏の林,Yoyogi park,Shibuya Ward, Tokyo,ginkgo,PC130209
代々木公園の銀杏の森

2021年12月13日7:50  東京都渋谷区代々木公園にて撮影。

オミクロンショックの中、早朝の地下鉄で代々木公園へ。

暮れも押し迫る12月半ばの早朝、6時台の地下鉄千代田線で「代々木公園駅」へ向かっていました。この日は、代々木公園南東側にある「イチョウの森と朝陽」を撮りたいと考えていたのです。

ところが、到着がだいぶ遅れそうで焦っていました。7時をまわりそうなのですが、アプリ「日の出、日の入り」によると、日の出は6:42から始まってしまうのです。コロナ禍の真っ最中ではありましたが、平日でも早朝の千代田線はまだ空いていて、車両には数人しかおらず、この点では少し安堵できました。それでも「これで感染しない」という根拠はどこにもありません。真冬なのに、車両の窓が少し開けられ換気されています。コロナ前の頃に較べると、比較にならないほど地下鉄はうるさくなっていましたが、「できることはすべてやっておく」しかないのでしょう。

この週は「中国で初のオミクロン感染者が確認」され、「イギリスのロンドンでは感染者の約40%がオミクロン株」と報道された頃でした。この影響で「スキージャンプ 国内W杯 3大会が中止」となり、「アメリカプロバスケットボール試合が中止」になっています。

私も当時は、「マスク・手の消毒」など、できることはすべて心がけていましたが、それ以上できることはもうありません。東京の感染者は、12月11日の段階で20人と、30日連続で30人を下回っていましたが、「でもまた、オミクロンで、爆発的に増えるのでは…。」という状況だったのです。

「代々木公園」の西門へ。

4番出口の東から朝陽が上昇中。
4番出口の東から朝陽が上昇中。

「代々木公園駅」に着きました。4番出口から地上に出て、西門から入るのが最も早そうでした。(ただし、後日Googleマップで測定しなおしてみると、「明治神宮前駅」で下車し、「原宿門」から「イチョウの森」を目指せば、200m以上近道でした…。)

代々木公園は24時間開園され、無料であることはすでに知っていましたから、開門まで震えながら待機…。と、いうことは無いはずです。早足で空を見上げると、もうビルの間から、陽が差しかかっていました。

西門から雑木林へ。

代々木公園の雑木林
代々木公園の雑木林

代々木公園は、初めてではありませんでしたが、数年に一度来るかという程度で、西門から入るのは初めてでした。門に入ると、すぐ南側が「雑木林」になっていました。南方向と北方向へはゆるやかに小高い丘になっており、西門あたりは、すり鉢の底のようになっていました。雑木林の大半は、ロープが張られた「植栽保護エリア」となっていました。当然立ち入り禁止です。「どんな草木を植栽しているんだろう?」と、ずいぶん気になったのですが、今回は時間を優先して「イチョウの森」へ急ぐことにします。

「代々木公園」の歴史

85年頃の代々木フリーマーケット風景
85年頃の代々木フリーマーケット風景

代々木公園は、江戸後期は「大名や旗本の武家屋敷地と農地」だったそうです。その後、明治時代「陸軍代々木練兵場」となり、戦後は「米軍の駐留軍家族の居留地・ワシントンハイツ」でした。 60年代は「東京オリンピックの選手村」になったあと、 現在の「代々木公園」となったワケです。

そういえば、平成2~3年頃だったと記憶しているのですが、休日には「歩行者天国」とか「フリーマーケット」が開催されてました。私は当時のフリーマーケットの出店に参加したことがあります。案外売り上げはよかったですね。

「フリーマーケット」は現在も続いていますが、「歩行者天国」は公園とNHKの間の「都道413号」の道を1km近く開放していました。バンドのライブ演奏、大道芸、竹の子族、パンク族、ロックンロール族…。それは、それはすごかった。ところが、あまりの熱狂っぶりに、警視庁からの要望もあり、平成10年(1998年)をもって完全に廃止されてしまいました。(ま、少しそのエッセンスが、秋葉原に流れたような気がしています。)

「雑木林」から「噴水池」へ。

「雑木林」を抜けました。このあとの方角の見当は、おおよそはついていましたが、「絶対に間違えない」という保証はありません。「方向は確かにあっていたが、川とか道路で遮断されていて迂回せざるを得ない」ということも過去何度か別の場所で経験しています。念のため、iPhoneでGoogleマップの指示に従いながら、歩くことにします。「丘の広場」へ出ました。名前の通り、少し小高くなっていました。

マップの指示から少し逸れてしまうのですが「噴水池」の方を目指してしまいました。これは私のいけないクセなのですが、どうも「水辺」には、引き寄せられてしまうのです。この時、氷が張っていれば、ここで大幅に時間をロスするところでしたが、幸いにも、まだそうなってはいませんでした。

このあたりで十数名の学生の皆さんが、すでにトレーニングをはじめていました。ストレッチをしたり、軽くダッシュの具合を確認しあったり…。本格的なタイムを測定するならともかく、こんなふうに緑に囲まれた練習はいいと思います。とてもリラックスできるのではないでしょうか。

いよいよ「イチョウの森」へ。

代々木公園のカラス
代々木公園のカラス

「噴水池」から、南方向にある森へ入ります。カラスが何羽も地面に降りていてギョッとしたのですが、意外と行儀がいい。機嫌が悪い時には、一気に攻撃してくることもあるのですが…。彼らは銀杏の実「銀杏(ぎんなん)」を食べていたのです。食べるのに夢中だったので、アホな人間なんて相手にしてる場合じゃなかったのですね。(私も昔、本郷の居酒屋で、ツマミとしてよく食べてましたが、確かに美味かった…。あれ、東大の構内産だったかも?)よく見たら、ここから「イチョウの森」が始まっていたのです。

「ブラケット撮影」で段階撮影で撮る。

代々木公園の銀杏の森
代々木公園の銀杏の森

ふと、南の空を見ると、木立から日が差してきました。すでに日の出の時間から1時間近く経っていたのですが、それにしてはまだ太陽の位置は低めです。「これは、代々木公園が南東方向に高くなっているせいなのか?」と考えましたが、とにかく「天の采配」です。どんどん撮ることにしました。

ここでも、多段階露光ができる「ブラケット撮影」の設定にして、5段階の露出で撮りました。そして、更にありがたいことに、人が全くいなかったのです。最近はPhotoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」等の機能で消すこともできますが、やはり最初から、人がいないにこした事はありません。

このあと、当時は講義の仕事があったので、8時過ぎまで撮影し、新宿のスクールへ向かったのです。短期決戦ではありましたが、充実した楽しい撮影でした。