「猿の惑星」の海岸、富津市磯根崎を撮る。

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千葉県富津市磯根崎を北側海岸から

2023年4月3日16:20 千葉県富津市亀田より磯根崎方向を撮影。

初回は「満潮」で迂回を断念。

磯根崎の海岸には、このカットの3ヶ月前に一度来ていました。その時は、岬より北の浅間神社側の海岸を撮りました。この時は、冬の海に似合った「流木」の光景をお目当てに来たのですが、良い形の流木があまり見当たりませんでした。仕方なく、夕陽の撮影に切り替えました。

満潮の日没後の磯根崎北側
満潮の日没後の磯根崎北側

その夕陽も沈んで撮れなくなってしまうと、「場所を移動した方がいいのではないか?」という思いが湧き上がりました。「じゃあ、岬の南向こうの海岸かなあ。なんとか行けないものか?でも、舟が出ているワケでもないし…。」と思案していると、14時半頃に、散歩していた地元の方が、岬へ向かって歩いていったのですが、1時間ほどで戻ってきているではないですか!お話を伺うと「磯根崎は海岸沿いに歩いて、むこうの南の海岸に回り込める」こと、「南側の海岸の方がずっと長くて、流木はいいものが多い。」ことを知りました。(これも、後日ストリートビュー調べてみると、たしかに歩いて回り込めることがわかりました。)

「干潮」のタイミングを逃す。

「そうだったのか!じゃあ、自分も!」と思ったのですが、すでに時遅し。海は「満潮」になっていたのです。さきほど見えていた、岬のまわりの岩場はもう沈んで見えません。地元の方は、ちゃんと「干潮」に合わせて散歩していたのです。サイトで時間を調べてみると、この日「干潮」に戻るのは翌朝でした。よって、この1回目の撮影は、岬北側の周辺のみで諦め、17時前で切り上げて帰宅せざるを得ませんでした。

都会に長く済んでいると、どうも「自然の流れに合わせる」という、ごく当たり前のお約束を忘れています。「天気」でさえ、気象庁が「予報」しているのではなく、「調整」しているように勘違いしてしまっている自分に呆れることがあります。天気予報を見ながら、「いや、明日はもう少し北の方を降らせてくれんかね。」と、言ってる自分に。

「下調べ」はしたものの、見間違いに気付かず…。

2回目の撮影でも、もちろん事前に下調べをしました。駅は「大貫駅」からなのか、それとも「佐貫町駅」なのか?歩いてどう向かえばいいのか?Googleマップとにらめっこします。

出した結論は「“大貫駅”で下車し、“富津市小久保の街中”を歩いて通り抜け、南の海岸へ降りる」ということでした。しかし、これはまったくの誤りでした。「Googleマップ」では、海岸手前でしっかり道が切れているのですが、「ストリートビュー」で確認した時に「あれ?山道ぽくはあるけれど、なんとか海岸まで降りられそうじゃない!」と、早合点してしまったのです。これは「完全に見間違い」でした。「自分の都合がいい解釈をして、ゆがんで見えてしまっている」とは、全く気付かず、このルートに早々に決めてしまったのです。

現地で下調べのミスに気付く。

そうとは知らない私は、のんびりと13:45すぎに大貫駅に着きました。前回も途中まで歩いた道を途中から変更し、小久保の街の中へ入って行きます。目印の小さな工場を通り過ぎ、南下したかったのですが「私有地につき立ち入り禁止」の看板が。(ちなみに、この手の看板の警告は、私は絶対に守っています。最近はセンサーや監視カメラ、通報装置もずいぶん安価になり、地方のホームセンターでも数千円で購入でき、設置も簡単、機能も実に優秀なのです。それに、こんなんで、私有地侵入の罪になりたくありませんし…。)

磯根崎の南岸は絶壁だった。
磯根崎の南岸は絶壁だった。

代わりにもう少し南東に別の山道を発見したので、そこを南下すると、海岸が見えてきたのですが…。「絶壁」でした。本当にほれぼれするほどの見事な「絶壁」です。高さ20m以上はあるでしょう。降りるためには、登山用の道具を使うか、ハンググライダーを用意するか、飛び降りるかしか手はありません。念のため「磯根崎の北へ行き、岬の岩場を歩いて南へ回り込む」手段も考えましたが、残念!すでに「満潮」が始まっていたのでした…。

現地で「Googleマップ」を再検討。

ここで、あらためてGoogleマップで調べます。かなり南側にある「亀田」というところまで行き、海岸を北上していくしか手はなさそうだと悟りました。歩行ルートを調べます。回答が表示されました。「ま、まさかこれ、また国道465号まで引き返して、佐貫町駅近くまで、大回りで歩くしかないのか…。」と絶句しました。なんと5.5kmもあります。歩きだと1時間半はかかるでしょう。念のため、Appleの「マップ」でも確認しますが、ほぼ同じようなルートでした。行きたいのなら、もうこのルートを踏破するしかありません。

作戦変更、「国道465号」沿いを歩く。

誤算でした。「亀田」に向かう途中で、すぐわかったのですが、もう一駅先の「佐貫町駅」で下車して「亀田」へ向かえば、はるかに早くラクだったはずです。今回は「下車する駅からして選択ミス」という大チョンボをしでかしていたのです。

磯根崎の南岸の流木
磯根崎の南岸の流木

しかし、愚痴っても仕方ありません。天候は問題なかったので、ひたすら歩きます。16:15に「亀田」を抜け、海岸に到着しました。うーん、遅い!もの凄く時間を無駄遣いしました!

ただ、幸いにも、私しかいませんでした。これは撮るには実に有り難い。海岸線は全長1.5kmほどもあり、予想以上にまっすぐで長めでした。「流木」は、やはり岬の北側よりはるかに多くありました。

海岸は「猿の惑星」のエンディング。

どんどん、北上していくうちに「こういう光景、映画で似たようなのがあったよなあ…。」と気付きました。「そうだ!『猿の惑星』(アメリカ映画・1968年・監督:フランクリン・J・シャフナー・主演:チャールトン・ヘストン)のエンディングだ!」と。主人公テイラー大佐とヒロインが、こんな感じの海岸で、自由の女神の遺構に遭遇し、膝から崩れ落ちてしまうシーンです。ま、映画とは左右が逆像ですが。

満潮の日没後の磯根崎北側
満潮の日没後の磯根崎北側

最後に「この海岸は、夏は海水浴場にならないのかな?」と、ちょっと気になりました。結論で言うと、ここはそうならず、より南東側の「新舞子海水浴場」のみの様です。あくまで雰囲気からの推測ですが、流れてきていた流木やゴミが多いこと、海岸からすぐ間際が絶壁になっているので、民家などが建てられないことから、あまり向いていないのだと思います。

帰りは、当然佐貫町駅を19時過ぎに出て帰宅しました。ところで、詳しくは後日の投稿で記しますが、私はこの頃から「足底腱膜炎(そくていきんまくえん)」が、左足に発病しはじめ、このあと2ヶ月近く苦しめられることになるのです。