龍の群れみたいな江北JCTの夜景を撮る。

P8200207,Kohoku Junction,Highway,江北ジャンクション,高速道路
江北ジャンクションの夜景。

2021年08月20日19:12東京都足立区江北2丁目・五色桜大橋の北側・荒川河原にて撮影。。

オレンジの灯に照らされた江北ジャンクション。

広角でカーブ感を強調。
広角でカーブ感を強調。

江北ジャンクション。その姿は横にぐっと、まるで龍の群れのように拡がり、照明は小粋なシャンデリアの様にそびえ立っています。このオレンジの照明は「高圧ナトリウム灯」というものだそうです。ただ、今後は白い光の「LED照明灯」にどんどん変わっていくようですね。長寿命だし、節電効果も高いですから。ジャンクションやトンネルの灯の色がオレンジでなくなる日もそう遠くはなさそうです。

ただ、夜景と撮る立場から言わせてもらうと、ナトリウム灯のオレンジのあかりの方が、夜の趣や暖かみがはるかに出ていて嬉しいのですが…。紅い灯の方が、はるかにドラマを感じさせるのです。どうしてなのでしょう?私の勝手な推測ではありますが、もともとの「火」というものが、オレンジ色であることや、人類が灯として使い始めた「ろうそく」、そしてほんの少し前まで使われていた「電球」も、この色だったことが、大きな理由のひとつのような気がしています。懐古する時に、思い出してしまう色なのかもしれません。

ちなみにあかりの間隔は道路状況などを計算して配置するそうですが、だいたい40mほどのピッチで設置されているそうです。新幹線の架線柱などもそうなのですが、こういったものの間隔には、ちゃんと計算式を作った方がいるそうで、条件をあてはめれば、ズバリその間隔が出てくるそうです。凄い…。

このカットの後ろ側では、都心のビル群の灯が遠巻きに見守るように写っています。その下部の真っ暗なところは荒川です。水面のきらめきを映し込むこともできるのですが、ここは抑えてあえてフラットなダークな川に表現することでジャンクションの存在が強調されました。

橋脚の根元まで近づいて撮れる江北ジャンクション。

荒川にかかる五色桜大橋。
荒川にかかる五色桜大橋。

このジャンクションは、荒川にかかる五色桜大橋(ごしきざくらおおはし)が北側に延び、首都高速中央環状線と首都高速川口線に分岐しています。

あくまで経験上ですが、他の高速道路のジャンクションでは、徒歩だと立ち入り禁止状態で、近寄れないところも多々あったのですが、ここはメイン橋脚が川岸にあるおかげで、非常にフレンドリーでした。「どうぞ、どうぞ。お好きなだけ近づいてお撮り下さい!」と、言わんばかりの場所にあり、あらゆる角度から撮ることができました。こんなオープンなジャンクションは、珍しいと思います。

水辺に入る撮影には、最大限に注意を

江北JCTの下の荒川の水辺。
江北JCTの下の荒川の水辺。

実はメイン橋脚の柱から、「ぐっと見上げるアングル」でも撮りたいな〜、と考えたりもしました。そうすればなかなかインパクトある構図になりそうです。ただ、それには川の中へ多少なりとも足を踏み入れなければなりません。もしかしたら、裸足になって川に少し入るだけで、撮れるのかもしれません。ただ、川を絶対に舐めてはいけません。いきなり川底が深くなっていたり、釘や枝などを踏み抜いたりしてしまうことが多々あるのです。

TVの実験映像を見て、ぞっとしたことがあります。某地方の川でしたが、とても綺麗で見渡しが良さそうな浅瀬なのに、足を一歩踏み入れただけで、一気に深く、流れが速いくぼみになっていたのです。足を取られてひっくりしまったら、もう大人でも全く立てず、泳ぎの達人でもはたして抜けられるかどうか。また、こんな暗い時の水難事故は、危険極まりません。ネイチャー系の撮影は、沼や川のような「水」とのかかわりが、多少なりとも発生します。私は、仮に長靴や耐水装備をしていたとしても、慎重にも慎重を期して水辺には、まずは入らないように心がけています。

明るいうちから撮り始めよう。

夕暮れ前の江北JCT。
同じ場所でも、暗くなる前はこんな感じ。

また、できれば暗くなってから現地に向かうのではなく、少し明るいうちから撮り始めることを推奨します。「明るいうちから目を慣らせておく」という意味もあるのですが、「明るいうちに周辺の地面を見て、覚えておいた方が、怪我や事故を大幅に減らせる」からです。

川岸の土地は、意外と起伏が多く、人工的に整地された場所でも、コンクリートやアスファルトが独特の造りになっていることがあります。「平らだと思っていたら、無数の筋が入り、とてもでこぼこになっていた。」とか、「補修ができておらず、金網や針金が飛び出ていた。」という事も珍しくありません。

「枯れ草が倒れているだけと思った所が、落とし穴に変わってしまっていた」ということもありました。明るいうちに見れば、あっさり避けられるのですが、暗くなり「闇」に変わってしまうと、トラップ(罠)になってしまうのが夜景の撮影では怖いのです。ちょっとしたゴミにひっかかり、怪我したこともあります。

両手が使える状態にできるLED懐中電灯がオススメ。

そして夜景の撮影に懐中電灯は絶対に必須です。「撮るため」ではなく「安全に移動するため」です。そして万一の時に、「存在」を知らせる灯でもあります。スマホのLEDライトでも無いよりはいいと思いますが、できれば両手が空けられ、自由度が高くなるものが、別途持っていた方がいいと思います。「万一転んでも手が付けられる」という体勢は、怪我を防ぐ第一原則でもあります。できれば、額や上腕に装着できるタイプ、そしてうんと明るいパワーがあり、長時間持つLEDタイプのものをお奨めします。

※「ハンズフリーライト」とか「キャップライト」等のワードで検索してみてください。