東京スカイツリーと夕陽を撮る。

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東京スカイツリーと夕陽。

2023年3月14日17:30東京都葛飾区西新小岩2丁目平井大橋にて撮影。

スカイツリーはもう建立11年!

別の日に、スカイツリーの根元から。
別の日に、スカイツリーの根元から。

東京スカイツリー。完成してからもう11年も経っているのですね。かねてから「なぜあそこに建てたのだろう?」という疑問があったのですが、「ブラタモリ」で地盤や電波の配信具合を徹底的に調べた結果、ここに決まったという経緯を知りました。

遠めから見るとひょろ長く見えてしまいますが、実は根元はとてつもなく太く直径68メートルもあります。細いパイプのような柱も直径は2.3メートルもあります。車を運転していた頃、隅田川にかかっている言問橋から東方向へ近づいていくと、あまりの大きさに遠近感が麻痺してしまうことがありました。それでも高さのわりに建設した土地の面積に余裕がなかったので、東京タワーの根元は四本足だったのに、スカイツリーは三本の設計にしたとのこと。

高さは、ムサシって響きから634メートルとしたそうです。そして、先端の位置は設計図との誤差をたった5センチ以内に仕上げているそうです。さすがは世界に誇る日本の建築技術!ただ、個人的には「そんなにムキに合わせなくても…。」と思ったりもしますが。まぁ、そこが日本の職人の心意気なのでしょう。(建築基準法の関係もあるかもしれませんが。)

実は私はまだこのツリーに昇ったことがないのです。「頑張れば自転車でいける距離」に住んでいるせいかもしれません。「いつでも見に行ける」ということが、逆に油断を招いて、昇る機会を逃しているのでしょう。もしかしたら、そのまま昇らずに、一生を終えるかもしれません。ちなみに女房は生まれも育ちも東京なのに、東京タワーも昇ったことがありません。人間って、案外身近なものほど、あまり触れずに生涯を終えてしまうのかもしれませんね。

夕陽とのツリーの絶好撮影場所を調べる

夕陽と展望台を超望遠のアップで。
夕陽と展望台を超望遠のアップで。

それはともかく、「スカイツリーと夕陽のからみを撮りたい」と考えました。それにはまず「いつ、どこから撮れば、ほどよくツリーと夕陽が重なるか?」を重視して、撮影ポイントを調べなければなりません。

まずはMacのブラウザで「日の出日の入り時刻方角マップ」を拡げてみました。すると、この日時なら「平井大橋」から撮れば、いいものになりそうだと、おおよその見当がつきました。

「ストリートビュー」と「マップ」

平井大橋の北端から。歩道は左右にあった。
平井大橋の北端から。歩道は左右にあった。

橋で撮るのは、とてもいい利点があります。橋の前後を動く事によって、構図を大きく変更できるという事です。これがビルの屋上や山の頂上だと動ける範囲がずいぶん限られてしまうのです。

ただし、橋からの眺めや、ツリーまでの途中に遮る建物がないかを「Googleストリートビュー」で調べます。都会の場合、一見地図上では見通しがよさそうでも、直線を引いてたどってみると途中に超高層ビルがでんと構えていたりすることもあるからです。

念のために「平井大橋」そのものも「ストリートビュー」で調べてみます。「眺め」はもちろんですが、「歩道がある橋なのか」も重要なチェックポイントです。現地に着いてから「えぇ?徒歩では入れないのか!」では、すでに時遅しです。「徒歩もOKの道なのか」というポイントは、これまでの地図やGoogleMapだけでは、意外にわかりにくかったのですが、「ストリートビュー」のおかげで、かなり明確にわかるようになりました。

荒川南の土手の階段を昇って平井大橋へ。
荒川南の土手の階段を昇って平井大橋へ。

また「ストリートビュー」は地域によっては、数年前まで遡って見られる場合があります。十数年前(2009年頃?)まで戻って確認できるのです。「確かこのへんにあったはずだけど…。」という場合は、なかなか重宝する機能です。わたしは独身時代に住んでいた杉並区のアパートがどうしても見つけられず、記憶に自信を無くしかけていたのですが、8年程前に立て替えられていた事をこれで知ることができました。

私はAppleの「マップ」の「3D」も使う事がありますが、道の網羅レベルでは、まだはるかに「ストリートビュー」が圧勝だと感じています。ただ、「マップ」の移動時のつながり感や、立体感には驚くものがあります。しばらく見ていると、本当にそこを歩いているような錯覚に陥ってしまいます。最近は「ストリートビュー」や「マップ」を多用しすぎているせいなのか、初めて来た場所なのに「来たことがある…?」という疑似的な「デジャヴ」を感じてしまうこともあります。正確には過去に見たビューや3D映像と現実が混じって「デジャヴ」だと錯覚しているだけなのですが。

歩道でも撮影には細心の注意と配慮を

さて、「平井大橋」の歩道は、幸いにも東西両側にあることがわかりました。この場合は西側の歩道を選ぶべきでしょう。歩道の幅もそれほど狭そうではなそうです。もちろん移動の際は、歩行者や自転車の邪魔にならないように細心の注意を心がけています。けっして急に振り向いたり、走り出したりしないように気をつけています。歩道での撮影は、車はもちろんですが、都会の人の往来を舐めてはいけません。「5秒前には誰もいなくても、今振り向くと3人いる。」事なんか特に珍しくありません。

あとは天気です。この日の予報は「晴れ時々曇り」とありました。残念ながら「晴天」ではありませんでした。ただ、ずっと「曇天」でもなさそうです。こういった日は、なかなか悩ましかったのですが、「うまくいけば、雲と夕陽が絶妙に混じりあうことがあるかもしれない。」という予感がして向かうことにしました。結果は出かけて大正解でした。そびえたつツリーのむこうの雲が巨大な宇宙空母のように交差してくれました。そのフチから覘き出る夕陽。お互いが絶妙な位置で重なり合うカットが撮れました。